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運営費など対象拡大へ

 ボランティア活動の資金運営に大きな役割を果たしているのが助成金。震災を機に、これまで対象になっていなかった事務所の家賃、光熱費などへの助成を検討する動きも広がっている。

 震災後に始まった「被災地ボランティア支援」の公的な助成で、大きいものは二つ。全国社会福祉協議会は、今年三月までに二百七十件、一億五千万円(一団体あたり最高二百万円)を助成。財団法人阪神・淡路大震災復興基金は、今年三月までに約千八百件、一億五百万円を交付した。

 復興基金は、組織的、広域的なボランティア団体が増えている現状を受け、年間最高六万円だった一般経費助成(交通費、通信費など)を、今年度からは最高十万円に増額。事務所の借り上げ経費も新たに助成の対象にする予定だ。

 震災前からの助成金団体では、日本船舶振興会(日本財団)が今年三月までに、六十二件、一億円余りを助成。これまでほとんどが物品購入への助成だったが、今後は家賃、光熱費などの運営費も対象にし、継続的な支援をする計画という。

 経団連なども被災地のボランティア活動に助成。被災者復興支援会議は、ボランティアと支援企業をつなぐ「被災地支援交流会」の準備を進めている。

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民間「非営利団体」定義めぐって議論

 ボランティアが注目された阪神大震災以後、民間の非営利団体(NPO)の活動を支援する新法・市民活動促進法案(NPO法案)への関心が高まっている。

 現在、ボランティア団体のほとんどは、営利法人でも公益法人でもない任意団体。契約を結んだり、銀行口座を開設する際、代表の個人名を使わざるを得ないなど、運営にさまざまな支障がある。現行民法の公益法人は、設立条件が厳しく、行政の厳しい指導下にあるため、市民活動になじまない、とされる。

 新法の狙いは、「非営利団体」に法人格を与え、税制上の優遇措置も検討して、市民活動を社会的、財政的に支えること。昨年十一月、新進党が法案を国会に提出した。

 与党三党も議員立法を目指し、プロジェクトチームで検討、今年二月にさきがけ試案、四月に自民党試案がまとまった。しかし、さきがけ案が「市民の自主的な社会参加活動」を対象にしているのに対し、自民党案は「政治上の主義や施策を主目的にしない」などと条件をつけ、社民、さきがけが「環境、人権などのテーマでは、政策提言型の活動は当然」と反発している。

 税制優遇措置の検討はほとんど進まず、「NPOの定義」の段階でもめているのが現状。市民団体からは「法人格の取得と税制優遇措置は別々に考え、法人格取得は登録だけで簡単にできるように」との要望が出ている。

1996/5/6
 

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