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(3)収入の9割寄付 ボランティア団体の台所事情
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 ボランティア団体の台所事情はどうなっているのか。震災直後から、物資配布、引っ越しの手伝い、仮設住宅支援などを続けてきた「がんばろう!!神戸」(神戸市北区)の一年間の収支決算を見ると・。

支出の70%が事務局関係に

 収入は全国からの寄付が、募金箱に寄せられた分なども合わせ九割。「行政に送ると何に使われるか分からないから」と送金してくる人が多いという。しかし、「寄付をすれば税控除があるか」との問い合わせもあり、「寄付をする人が、お金を出しやすい環境づくりが必要」とメンバー。

 支出は電話(携帯電話を含む)、ファクス、コピー機などの機器購入の「設備費」が最も多く二六%。次いで、事務所そのものの管理に必要な「設営費」が二割を占める。電気代、ビル共益費、駐車場代、暖房の灯油代なども含まれる。事務所の無償提供を受けている現状でもこれだけの出費だ。

 「がんばろう!!神戸」は、高齢者にペンダント式の発信器を持ってもらい、ボランティアと緊急連絡するシステムを広めており、電話代も高額。支出全体では、事務局関係費が約七割にのぼっている。

 月別の出費を見ると、震災直後の昨年二月は約三十万円。当時は電話代なども、ボランティアが負担している場合が多かった。その後は月平均百万円だが、交通費や食費は一切出していない。約七百五十万円を次年度の活動費に繰り越したが、資金がいつまで続くかは見通しが立たないという。

 一方で、資金の裏付けを持たない地域のボランティアの支援を企画。今年四月、市民らによる「メイド・イン・コウベ」の商品を販売するスペースを神戸・ハーバーランド内に確保、売り上げの一部を基金にして支援していく考えだ。

「がんばろう!!神戸」収支決算
(1995.1.23~1996.1.31)
【収入の部】
項目金額(円)備考
寄付 義援金1,850,433「被災者のための物品購入」名目
寄付 運営資金13,378,684「団体の運営資金」名目
助成金2,000,000全国社会福祉協議会 100万円
日本船舶振興会 100万円
その他1,191,702募金箱入金、預金利息など
合計18,420,819-
【支出の部】
項目金額(円)備考
物品費1,448,580炊き出し食材、仮設住宅補修材料
運搬費1,417,788ガソリン、通行料、駐車料
印刷費110,208イベント用チラシ印刷
通信費1,593,452電話、コンピューター通信、切手
設営費2,143,518事務所管理費、共益費
設備費2,867,264ファクスなどの機器購入
消耗品費1,227,997文房具などの事務用品
研修費22,000ボランティア研修の講師謝礼
会議費46,440会議時の来客の食事
合計10,877,247-
繰越収支差額7,543,572-

1996/5/6
 

天気(9月8日)

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