市外・県外被災者追跡アンケート
見知らぬ土地での暮らし。アンケートでは、震災時のつらい体験を「話したいと思うが、分かってくれそうな人が身近にいない」と答えた人が三割にも上った。年を追うごとに孤独や不安が募っていく人も。
▼どうにもできない気分に陥り困る
「震災のあった年は一生懸命で精神と体の不調を感じる暇もなかったが、一年 、二年、三年とたつうちに、どうにもできない気分に陥り困っている」(東京都・50代女性)
▼神戸に住んでいれば心のケアも
「今ごろになって出てくるストレス。神戸に住んでいれば心のケアをしてもらえるのに、楽になるのに、と思う。県外にいれば人には言えないし、言いたくない。分かってもらえるわけがないから」(広島県・30代女性)
▼全壊のローンと現家賃二重払い
「(全壊した)家のローンと現在の家賃の二重払い。月二十万円近くにもなり 、将来に絶望的な気持ちになる。悩みは日々重くのしかかる。子どもの学校の関係でしばらく今の所に住み続ける予定。いつか神戸に戻れる日を楽しみに頑張るしかない」(滋賀県・40代男性)
▼今になって心的外傷後ストレス
「神戸に家を建てたい。しかし、財産のほとんどをつぎこんで治療費がなくなったら・などと考えるとまとまりがつかない。もう少し若ければ…。そんなことを考えていたら、今ごろになって心的外傷後ストレス障害といわれた。人の輪の中に入っていこうと努力中」(高砂市・50代女性)
▼毎日、自殺することばかり考え
「体が不調で医者代の負担が大きい。不景気で仕事も見つからず、孤独の不安も限界に近付きつつある。毎日自殺することばかり考えている」(和歌山県・60代男性)
1999/1/12