市外・県外被災者追跡アンケート
「被災地で暮らし続けていれば…」とほぞをかんだ市外・県外被災者は少なくない。住宅募集では、以前の住宅が解体されていなければ「被災者」と見なされず、住民票を市外・県外に移していると「一般枠」での申し込み資格さえない。県や神戸市は二月議会での条例改正を検討中だが、ここまでくるのに四年もかかった。
◆被災地で頑張っていたらと後悔
「高齢者生活再建支援金にせよ住宅申し込みにせよ、解体証明が必要なため申し込めずに困っている。危険だから来るように息子に言われ、いろいろ考えた結果だが、あまりなじめない。精神的負担が大きい。我慢して(被災地で)頑張っていればよかったのにと、後悔すること甚だしい」(東京都・70歳以上 女性)
◆日に日に高まる戻りたい・焦り
「疲れました。戻りたいという焦りが日に日に高まり、戦時中の疎開先で主人の復員を待つ心境。一部損壊の証明が何の役にも立たないのは納得できない」(広島県・70歳以上女性)
◆将来設計の余裕なく夫も急死…
「将来設計を立てる余裕もなく県外に居住。夫の急死により、この地にとどまることになった。県外に居住した被災者は経済的に恵まれているといわれがちだが、ほとんどの人が生活の不安を抱えている」(奈良県・60代女性)
1999/1/12