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 震災四年の復興の進み具合を探るため、神戸新聞社は、人口、産業などの各分野のデータを基に「復興度」を試算した。十八項目の平均は六七・一%で、一年前の六二・五%に比べて四・六ポイントの伸びにとどまった。経済関係を中心に全体の三分の一の六項目で復興度が前年より下がり、不況の影響が色濃く表れた。

 復興度は、原則として震災後の最低レベルをゼロ、震災前水準を一〇〇%として数値化した。震災三年時点では、二十二項目を調べたが、今回は住宅新規着工戸数などを省いた。

 被災十市十町の推計人口の復興度は三四・八%。推計人口では、住民票を移さないまま県外に転出し、再転入したケースが反映されないため、兵庫県は独自の「推定人口」を試算。それでも約四万六千人が減少したままだ。

 一〇〇%を超えたガス供給件数は、メーター設置数から算出。事業所や未使用のメーターも含むが、建物の建設が進みつつあることの反映ともいえる。

 神戸港・バース、校舎は復旧が終わり、文化財復旧も一〇〇%近い。ハード面の復旧は終わりつつある。

 一方、不況を反映し、百貨店販売額、高級飲食店営業数などは前年を下回った。神戸港関係では、輸出全国シェア、コンテナ取扱個数、外国貿易船入港数の三項目で前年より下がり、厳しい状況が続く。

   
復興度
(%)
被災20市町推計人口34.6( 21.7)
外国人の戻り具合25.6( 10.7)
ガス供給件数155.5(108.2)
百貨店販売額64.7( 68.5)
映画館の座席数49.6( 50.0)
高級飲食店の営業数77.0( 77.8)
校舎の復旧状況100.0( 99.6)
児童数の推移36.9( 25.6)
医療機関の復旧67.8( 67.8)
保育所復旧状況81.8( 81.8)
共同作業所復旧96.9( 93.8)
文化財復旧97.0( 89.9)
神戸港バース復旧100.0(100.0)
輸出全国シェア45.8( 52.1)
輸入全国シェア45.2( 40.5)
コンテナ取扱個数41.0( 46.8)
外国貿易船入港数42.5( 55.3)
ケミカルシューズ生産額44.9( 34.7)
平均67.1( 62.5)
(注)カッコ内は震災3年の数字

    ◆

各地で追悼式
 阪神・淡路大震災の犠牲者を追悼する自治体主催の式典が十七日、神戸、芦屋、宝塚、明石市内で行われる。

 兵庫県と県議会、市長会などが午前十一時五十分から神戸市中央区の県公館で開催する式典には、秋篠宮ご夫妻、小渕首相、遺族ら約四百人が出席。自然災害に備えて安全と共生を呼び掛ける「一・一七宣言」は、新野幸次郎・神戸大名誉教授が朗読し、「一つの煉瓦(れんが)を積み、一本の木を植えながら共に復興を続けよう」と訴える。

 神戸市は午前十時半から、神戸文化ホールで、規模を縮小して行う。参列者は約三千人と見込む。芦屋市は午後二時からルナホール、宝塚市は午前十一時からゆずり葉緑地、明石市は午前九時半から市立勤労福祉会館で行う。記帳所は公館や県民局、被災市町などにも設置する。

1999/1/17
 

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