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(4)職人 伝統守った仕事場
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2004・4・7 愛用のミシン。傍らに妻の繁子さん=神戸市灘区福住通6 1996・12・1 仮設が仕事場=神戸市西区櫨谷町福谷
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2004・4・7 愛用のミシン。傍らに妻の繁子さん=神戸市灘区福住通6

1996・12・1 仮設が仕事場=神戸市西区櫨谷町福谷

  • 2004・4・7 愛用のミシン。傍らに妻の繁子さん=神戸市灘区福住通6
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1996・12・1 仮設が仕事場=神戸市西区櫨谷町福谷

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 仮設住宅の一室。ミシンの音が小刻みに響く。中に職人が一人。その手で、伝統の「神戸洋服」を生み出す。黙々とミシンに向かう姿に見入った。気骨と気高さが漂っていた。

 神戸テーラーの元木武さん(75)。神戸は注文紳士服発祥の地。明治以来優秀なテーラーを輩出してきた。元木さんもその流れをくむ。

 神戸市灘区の自宅が全壊。震災の年の三月、避難先の明石市の親類宅から、神戸市西区の仮設住宅へ移った。早速、洋服づくりを再開。「仕事をしない日々など考えられなかった」。注文は絶えることがなかった。

 妻と二人三脚。毎日、朝九時から深夜零時ごろまで、一心に働いた。「あまりつらい思い出がないのは、仕事のおかげかもしれない」と話す。

 一九九七年五月、自宅を再建。しかし、注文は年々減っていった。既製品の波。長引く不況が影を落とす。「随分と暇になりました」とぽつり。

 仮設住宅は、住居というより、洋服づくりに追われた仕事場だった。「今、西区に息子がいまして。孫の顔を見に行った帰りに、よく仮設の跡地に立ち寄るんですよ」

 遠い視線に郷愁を感じた。(写真部 中西大二)

2004/5/13

 

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