6434人が亡くなった阪神・淡路大震災は17日、発生から丸14年を迎える。週末と重なり、多くの追悼行事が開かれる被災地は終日、鎮魂の祈りに包まれる。神戸市は遺族や市民と連携し、午前5時から神戸・三宮の東遊園地で「阪神淡路大震災1・17のつどい」を開催。兵庫県などは午前11時50分から、同市中央区の人と防災未来センターで「ひょうご安全の日 1・17のつどい」を催す。次代を担う子どもたちへ、新たに転入してきた住民へ、震災の記憶と復興の歩みを伝えていく。
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ケミカルシューズ業界 震災負債37%未返済 神戸市内 本紙調査 企業数は激減
神戸新聞社は、阪神・淡路大震災で大きな被害を受けたケミカルシューズ業界を対象にアンケートを実施した。事業所の再建など震災で抱えた負債を今も完済できていない企業は十七社と、全回答数の37%を占める。日本ケミカルシューズ工業組合の会員数は震災直後(一九九五年末)の二百十四社から、二〇〇八年末は百十二社と半分近くに減っており、十四年を経ても震災が業界全体に大きな影を落としていることを浮き彫りにした。
アンケートは昨年十二月から今年一月上旬にかけ、神戸市内で同工業組合に加入する八十九社を対象に実施。52%の四十六社が回答した。
震災による負債を完済したのは二十九社で全回答の63%と最も多かったが、未返済の社数は三分の一を超え、残っている負債が五割以上という回答も七社あった。
現在も震災負債の七割程度が未返済という経営者は「震災後、輸入品との価格競争や人材不足に苦しみ続けたが、毎年状況が厳しくなり、今が最悪」と話す。
売上高の比較では、二十七社が震災前より「減った」と回答。一年前より売上高が減った社も二十五と半数以上を占め、震災による負債と、昨年来の急速な景気失速が二重にのしかかる。
業界の再興策を聞いたところ、消費者の国産志向に対応し、神戸発の製品であることを認証する制度の新設を挙げる回答が最も多かった。直営の小売店を持つための資金補助、資材価格の安定などの回答も目立った。従業員の高齢化対策に、外国人労働者を中小企業が受け入れやすくする-とのアイデアもあった。(阿部江利)
2009/1/17