「阪神・淡路大震災を経験した兵庫のボランティアへの期待は大きい。がんばろう」
昨年12月、東日本大震災の被災地に向かうボランティアバスの出発式が、ひょうごボランタリープラザ(神戸市中央区)であり、最高齢の村上文敏さん(75)=明石市=が参加者に呼び掛けた。
神戸市長田区にある村上さんの実家は、阪神・淡路で全壊。全国から集まったボランティアの姿が心の支えになった。「あの時の恩返し。少しでも役に立ちたい」と、これまで東北支援に10回近く参加している。
1995年は「ボランティア元年」と呼ばれる。被災地の経験を生かし、兵庫から多くの人が被災地に駆け付ける。
「阪神・淡路を知らない若者も多い。一緒に汗を流して、原点である19年前のことを感じてほしい」。リーダー役の村上さんは、後進たちを優しく見つめた。(後藤亮平)
2014/1/10