「希望の灯り」と刻んだ瓦せんべいがある。右に「3・11東日本」、左に「1・17神戸」の文字。神戸と東北の被災地を結ぶデザインだ。
戦後間もなく創業した神戸市兵庫区の焼き菓子店「梅香堂」が、2年前から手がける。
3代目社長の田中隆史さん(40)が、神戸のNPO法人に協力。売上金は、三宮・東遊園地のガス灯から分灯され、岩手県陸前高田市など東北にともる「3・11希望の灯り」の管理費に充てる。1箱12枚入り、525円。経費を除く全額を寄付するため、利益はない。
「普段手がける物で、わずかでも役立てられるのなら」。田中さんを後押しするのは、自宅が半壊し休業を強いられた、1・17の記憶だという。
「『希望の灯り』がその名の通りにともる限り、せんべいに焼き印を押し続けたい」。3代目の決意は固い。(宮路博志)
=おわり=
2014/1/11