静けさと暗闇に包まれた神戸・ポートアイランド。神戸港の航路を管理する神戸信号所で単身、宿直業務に当たっていた海上保安官の西脇盛久さん(64)は激しい揺れで、ソファから跳び起きた。
空港の管制と同様の機能を持ち、船の出入りには欠かせない信号所。3階建ての建物とその上に立つ鉄塔は揺れで北東に傾き、周囲の路面も1メートルほど陥没した。神戸の市街地とポートアイランドを結ぶ神戸大橋が不通となった。対岸には幾筋もの黒煙。孤立無援に陥った。
西脇さんは、時には自家用車で寝泊まりし、1人で船にサインを送り続けた。「港の安全を守ろうと、とにかく必死だった」と振り返る。
信号は、一日も途切れなかった。鉄塔上の光はきょうも、行き交う船を確実に導いている。(笠原次郎)
=おわり=
2017/1/14









