阪神・淡路大震災以降、全国の学校で防災教育は広がりつつある。兵庫県が2002年に舞子高校に設置した環境防災科の取り組みは成果の一つだろう。
小学校から大学までそれぞれのレベルで震災学習や防災マップづくり、住民と連携したまちづくりなど、多様な活動が増えている。これらをさらに深め、全国的、日常的な取り組みにできないか。
地震、津波、台風など災害のメカニズムを科学的に学ぶと同時に、復旧・復興の過程、ボランティア、災害弱者の支援、平時からの地域社会の在り方などを幅広く学ぶ科目「防災」を新設したい。
災害から命を守るには、「自分の命は自分で守る」という思想の定着と実践が欠かせない。自分の命を守ることは、他者の命を助ける力にもなる。
新科目の導入は簡単ではないが、教科横断的にすることで、授業時間の枠を生み出したい。防災の知恵と技術を身に付けた人材の育成は、将来、災害に強いまちの基盤となる。