地域経済再生の原動力は、資金が地域内で循環する構造を、できる限り早く取り戻すことにある。
阪神・淡路大震災の際、3年間はインフラや住宅整備などの復興需要が被災地経済を後押ししたが、その間に事業所の移転、廃業が相次いだ。
事業所の再開が進まなければ、雇用も縮小し、結果として地域の力は衰退する。阪神・淡路の被災地では、事業再開にあたって金融機関の融資が中心となり、その負債が長く事業者を苦しめてきた。こうした問題は、東日本大震災の被災地にも共通している。
地域経済の再生には、新産業の創造に長期的な視野で取り組む一方、事業所の早期再開を後押しする融資や助成金制度、ファンドの活用など幅広い支援メニューを整えておかなければならない。それは、災害が発生してからでは間に合わない。平時から、これらの仕組みがいつでも機能するように準備をしておくべきだ。