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震災で倒壊した阪神高速神戸線=神戸市東灘区深江本町
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震災で倒壊した阪神高速神戸線=神戸市東灘区深江本町
震災経験の継承へ、語り部の映像化に取り組む奥西史伸さん=大阪市北区、阪神高速道路会社
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震災経験の継承へ、語り部の映像化に取り組む奥西史伸さん=大阪市北区、阪神高速道路会社
被災した橋脚などを公開している震災資料保管庫=神戸市東灘区深江浜町
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被災した橋脚などを公開している震災資料保管庫=神戸市東灘区深江浜町

 高速道路の“安全神話”を揺るがした阪神・淡路大震災から25年を迎えるのを機に、阪神高速道路会社(当時・阪神高速道路公団)は、被災や復旧の経験をインタビュー映像に残す取り組みを始めた。震災後に入社した社員が6割を超え、「次世代に継承するため、生の声を今のうちに記録する必要がある」と担当者。他の震災資料と併せ、社内外で活用する。(田中真治)

 「あり得ない光景」「なんでこんなことが起きるのかと、がくぜんとした」。震災後、神戸線復旧建設部の工事課長として現場を指揮した幸(ゆき)和範社長(72)は、インタビューで衝撃の大きさを振り返る。

 震災では、神戸線が神戸市東灘区深江本町で635メートルにわたり倒壊し、湾岸線を含む計5カ所で落橋もあった。通行中のドライバーら16人が亡くなり、震災の発生した1月17日には毎年、兵庫県芦屋市大東町の慰霊碑で役員らが献花する。

 未曽有の被害に工事量を測れず、工程表を作るのも不可能な状況で、早期復旧の至上命令が課せられた。「われわれがやらねばならんという強い責任感で」(幸社長)、震災翌年の1996年内の全線開通を発表。実際の工期はさらに約90日短縮され、同年9月に工事は完了した。

 高架下に国道が走り、作業の難しい手狭な現場に、可能な限りの重機が投入された。橋脚の梁(はり)を鋼製とし、免震構造を基礎に設けるなど新技術を積極的に取り入れて工期短縮を図った。今回、工事を請け負った建設や橋梁(きょうりょう)会社の担当者にも取材。「阪神高速の担当者とけんかしながら」「ほぼ24時間態勢で工事をした」と当時の苦労を振り返る。

 インタビュー映像のほか工事の記録ビデオや写真も電子化し、年度内から順次、社内の共有データベースで公開する。映像の一部は、倒壊現場近くの「震災資料保管庫」でも使用する。

 担当の奥西史伸さん(46)は、神戸大3年時に震災を経験し、技術系の人材育成部門に在籍。「次の世代の語り部を育てるには今が正念場。話を聞けるうちに聞いて、防災意識の向上に努めたい」と語る。

     ◇

 震災では、鉄道各社も大きな被害を受けた。神戸市東灘区から灘区にかけての高架橋や石屋川車庫(東灘区)などが崩壊し、全線復旧に160日を要した阪神電気鉄道は、来年1月の社内報で震災特集を組み、経験を伝える。

 紙面では、運輸や車両など各部門の計5人に取材。駅に停車する直前に「線路が縦に波打つ様子が見え、非常ブレーキを入れた」という運転士の生々しい声などを紹介する。

 同社では、ハード面の対策や災害訓練に加え、震災当日の列車無線を聞かせたり、語り継ぎの場を設けたりと経験をつなぐ取り組みも続けている。

■震災資料庫、来月特別公開神戸

 阪神高速道路会社は来年1月11、12日、被災した橋脚などを展示する「震災資料保管庫」(神戸市東灘区深江浜町)を特別開館し、当時を知るOBのほか、元神戸市消防局職員を初めて講演に招く。

 同施設は、震災を後世に伝えようと1999年に完成。被災状況や復旧過程のほか、橋脚の補強や落橋の防止など耐震の取り組みを紹介している。普段の見学は第1、第3水曜と日曜に予約制で受け付けている。

 特別開館は予約不要で、阪神深江駅からシャトルバスを運行する。講演では、市消防局管制室で当直責任者だった後藤陽さん(各日午前11時)と、阪神高速の神戸線復旧建設部長を務めた出口正義さんら2人(同午後1、3時)が体験を語る。午前10時▽正午▽午後2時▽同4時-の計4回、施設の案内もある。

 無料。同社TEL06・6576・1484

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