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期間放流ができるよう、兵庫県が設備工事を進める千苅ダム=6日午後、神戸市北区道場町生野
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期間放流ができるよう、兵庫県が設備工事を進める千苅ダム=6日午後、神戸市北区道場町生野

 2018年7月に起きた西日本豪雨の水害を踏まえ、兵庫県は、大雨の直前にダムの水位を下げる「事前放流」や、台風シーズンの前に水位を下げて数カ月間維持する「期間放流」を導入している。本年度は利水用を含む六つのダムで期間放流などを開始。ダムにためられる水量に余裕をもたせ、洪水のリスクが増す緊急放流を避けるのが狙い。県は既存ダムの改修と合わせ、10年後に「治水ダム約7基分に匹敵する容量を確保できる」とする。(竹本拓也)

 平成最悪の水害となった2年前の西日本豪雨では愛媛県の二つのダムが満水となり、緊急放流をしたが、下流の肘川(ひじかわ)が氾濫。死者は8人に上った。また、東日本を縦断し、71河川で堤防が決壊するなど甚大な被害が出た昨年10月の台風19号でも、茨城県など六つのダムで緊急放流が行われた。

 兵庫県内では西日本豪雨の際、宍粟市の引原ダムと川西市の一庫(ひとくら)ダムで緊急放流が実施された。いずれも下流域の氾濫は免れたものの、引原ダム下流の引原川と揖保川の合流点付近では、最高水位が一時、氾濫危険水位を超える4・2メートルに上昇。一庫ダムも、下流の猪名川で水位が急上昇した。これを教訓に事前放流が新たに導入された。

 県が本年度、8~10月などを想定して期間放流を始めるのは、加古川水系の権現ダム(加古川市)や鍔市(つばいち)ダム(丹波篠山市)など利水ダム5基。これまで治水目的での放流は想定していなかったが、国の提言などを受け、計325万立方メートル分を確保した。さらに武庫川水系の青野ダム(三田市)では、事前放流する水量を従来の2倍となる40万立方メートルに増やした。

 事前放流や期間放流は洪水調節に即効性があるが、改修が必要なダムもある。県は昨年から武庫川水系の千苅(せんがり)ダム(神戸市北区)で水位を下げる設備の工事に着手しており、2年後の運用を目指す。

 また、約60年が経過した引原ダムは10年後の運用をめどに、ダム本体の2メートルかさ上げやゲートの新設工事を進める。完成すれば西日本豪雨レベルの雨量に対応できるという。このほか本年度中に武庫川水系の名塩ダム(西宮市)が設備工事を完了する。

 県によると、県内の治水ダム1基当たりの平均容量は約218万立方メートル。早ければ10年後には、新設の治水ダム約7基分に相当する1460万立方メートルを確保できる見通しという。県はさらに県内51基のダムの活用方法を利水者らと協議する考えで、県総合治水課の担当者は「貯水量や放流の状況など、住民への啓発にも力を入れたい」と話す。

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