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本山尚義さん。手には「見た目は白子っぽいが弾力がある」という羊の脳みそ。工房の冷蔵庫には、ピラルクの切り身、カンガルーの肉なども=神戸市東灘区(撮影・小林良多)
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本山尚義さん。手には「見た目は白子っぽいが弾力がある」という羊の脳みそ。工房の冷蔵庫には、ピラルクの切り身、カンガルーの肉なども=神戸市東灘区(撮影・小林良多)
完成したマチャンカ。程よい酸味で美味=神戸市東灘区(撮影・小林良多)
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完成したマチャンカ。程よい酸味で美味=神戸市東灘区(撮影・小林良多)
世界各地の味をレトルトで販売。寄付がついた商品もある=神戸市東灘区(撮影・小林良多)
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世界各地の味をレトルトで販売。寄付がついた商品もある=神戸市東灘区(撮影・小林良多)

 自慢じゃないが、自炊のメニューが貧弱だ。長年、麺→カレー→鍋→麺→カレー…の無限ループに安住してきたが、外食も旅行も制約が多い昨今、いよいよ行き詰まってきた。無芸大食でもさくっと作れて、食卓に異国の風が吹くような一品はないだろうか。神戸市東灘区で「世界のごちそう博物館」を営み、「旅するシェフ」と呼ばれる本山尚義さん(55)を訪ねた。

 教えてもらうのは、ベラルーシの家庭料理「マチャンカ」。豚肉のサワークリーム煮込み、だという。

 まずはフライパンにバターを熱し、一口大に切った豚肉を中火でこんがり焼く。次は鍋にバターを入れ、薄切りのタマネギを炒める。小麦粉を絡ませ、しんなりしてきたら、豚肉を移す。アドリブで肉汁も足そうとしたが、やんわり止められる。

 「さあ、サワークリームを入れましょう」。生まれて初めて使う食材を、びびりつつ鍋へ。材料に絡め、塩コショウで味を調える。かき混ぜながら弱火で煮込むと、とろみが出てきた。なんと! もう完成ですか。

 タマネギのしゃきしゃき感と豚肉のうまみが相まって、とてもおいしい。身近な食材で手軽なのに未知の味。「世代を問わず人気」という説明にうなずく。シンプルな野菜サラダやマリネなどと合うそうだ。

 「ロシアや東欧諸国ではサワークリームをよく使う。ボルシチが有名ですね」と本山さん。味がまろやかになり、発酵食品なので整腸作用もある。日本のみそ、しょうゆのような感じだと教わると、急に親しみがわく。

     ◇

 本山さんは神戸市などのフランス料理店で修業を積み、インドでスパイスの奥深さに開眼。1996年から2年ほど、アジアや欧米、中東など30カ国を旅し、現地の家庭や店で料理を教わった。帰国後、東灘区などでレストランを営みつつ、日本に住む外国人らから故国の味を学び、日本が国として承認している196カ国全ての料理を習得。2010~12年には、2週間ごとにメニューを変えながら196カ国の料理を提供する「世界のごちそうアースマラソン」に取り組んだ。

 今回のマチャンカは、その中でベラルーシ大使館の方に教わった一品で、「とても親切に対応してくれた思い出がある」。ちなみに試作品は必ず“先生”に送付し、感想を聞いているそうだ。頭が下がる。

 本山さんは現在、世界各国の料理約60種を製造し、インターネットなどで販売している。人気が高いのはアフリカ中西部・ガボン共和国の「ムアンバ」(鶏肉とトマトのピーナツシチュー)や、「パキスタン風 羊の脳みそカレー」だとか。

 各地の風土や文化に根ざした料理をきっかけに、その味を愛する「人」のことも知ってほしいと願う。「例えばアメリカ南部の煮込み料理『ガンボ』には、アフリカ原産とされるオクラが入っている。黒人たちの故郷の野菜です」。世界を旅した若い頃、さまざまな苦境に置かれた人々に出会い、自分にできることを探し続けてきたという本山さん。穏やかな笑顔の向こうに、変わらぬ思いが息づく。(新開真理)

【マチャンカの材料(2人分)】

豚ロース肉(カツ用) 2枚

バター        大さじ1(12グラム)

タマネギ       1/2個

サワークリーム    1/2カップ(100cc)

小麦粉        大さじ1

塩・コショウ     各小さじ約1/2

【もとやま・なおよし】1966年神戸市生まれ。近著に、マチャンカなどを収録した「全196カ国 おうちで作れる世界のレシピ」。商品の問い合わせはTEL078・431・5021(平日のみ)

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