エッセー・評論

イッツ ア ワンダフル ジャーニー

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「青いきらめき」(撮影・中西大二)

「青いきらめき」(撮影・中西大二)

 拙著「望郷」は瀬戸内海の架空の島を舞台にした短編集で、本のカバーは、黒地に小さな青い光が無数に輝く、なかなか幻想的なものとなっています。よく合成画像と間違えられるのですが、その際、鬼の首をとったかのように、これは写真です、と答えます。夜の海に輝く海ホタルを撮影したものです。撮影場所は淡路島の阿万海岸で、淡路島観光協会にご協力いただきました。

 海ホタルを初めて見たのは、2010年の秋です。地元の仲間たちと洲本市の炬口(たけのくち)海岸で釣りをしていたところ(その日はアジがよく釣れました)、日が暮れて、仲間の1人、Tさんのご主人がお迎えにやってきました。片付けを終えて、楽しかったね、と帰ろうとしていると、Tさんのご主人が、いいものを見せてあげる、と言って足を止め、ロープのついたバケツを海に投げ入れて海水を汲(く)み上げました。海面を見ていて、と言われたので、皆で真っ暗な海の方を向くと、Tさんのご主人はバケツの水を海に向かってぶちまけました。すると、海面に小さな砂粒のような青い光が表れ、キラキラと輝いて消えていったのです。ほんの数秒の出来事でした。その場にいた人全員が感嘆の声を上げました。

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2013/8/3
 

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