エッセー・評論

イッツ ア ワンダフル ジャーニー

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「水面に映るロケ地」(撮影・三浦拓也)

「水面に映るロケ地」(撮影・三浦拓也)

 この原稿を書いている10月某日、半袖Tシャツを着て、昼食にざるそばとアイスコーヒーを取り、午後からは、何度ぬぐっても鼻の頭にじっとりとわき出る汗に耐え切れず、仕事部屋のエアコンを点(つ)けてしまいました。日本はあと数年もすれば、常夏の国になってしまうのではないだろうか、と半ば本気で憂えている今日この頃です。夏の終わり、という言葉に一抹の侘(わび)しさやもの悲しさを覚える人よりも、やっと終わってくれたか、と安堵(あんど)のため息をつく人の方が多くなるのではないか、と。小説も、作中に出てくる花の名前で季節を感じることは難しくなるのかもしれません。

 と、前置きはこのくらいにして、9月に映画「夏の終り」(監督・熊切和嘉)を洲本市内の映画館に観(み)に行きました。原作は瀬戸内寂聴さんの同名小説で、昭和30年代の東京を主な舞台に、主人公の知子が年上の妻子ある不遇な作家と年下の男との間で、女の業に苦悩しながら、一途(いちず)に独自の愛を生きていく、という物語です。

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2013/11/2
 

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