
大震災から5カ月が過ぎた今も、押しつぶされたままの工場のフェンス=宮城県石巻市重吉町
「若い連中を使って、何とか工場を残せませんか」。7月28日、尼崎市の金属加工、尼崎製罐(せいかん)の本社。宮城県の石巻工場長の柳橋(やなぎばし)利之(59)は、社長の中山隆夫(54)らに願い出ていた。工場は東日本大震災で大打撃を受け、5カ月余りたった今も操業を止めたままだ。
その前日、柳橋は終礼で従業員18人の意向を尋ねた。「先が見えず、不安です」。工場内で立ったままの話し合いは、2時間半に及んだ。
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