生きるのヘタ会?×神戸新聞

細川貂々さんインタビュー

■(2)変わりたいと思ったんです

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子どものころから感じてきた「生きづらさ」や当事者研究について語る細川貂々さん=宝塚市栄町(撮影・中西幸大)
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「生きるのヘタ会?」で進行役を務める細川貂々さん=宝塚市立中央図書館(撮影・藤家 武)
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子どものころから感じてきた「生きづらさ」や当事者研究について語る細川貂々さん=宝塚市栄町(撮影・中西幸大)
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子どものころから感じてきた「生きづらさ」や当事者研究について語る細川貂々さん=宝塚市栄町(撮影・中西幸大)

子どものころから、物事を何でもネガティブに考える「ネガティブ思考クイーン」だったという細川貂々(てんてん)さん。

その後、このままではダメだ、と思ったそうで…。

インタビューの2回目は、漫画家の道を歩みだしてからの話です。

(聞き手・中島摩子)

-3度の退職を経て、就職するのはもうやめようと思ったんですね。

「やっぱり、私が好きだったのは絵を描くこと、漫画を描くことだったので、セツ・モードセミナー(2017年閉校)に行ったんです。ただ、ネガティブ思考は、ずっとありました。絵の学校に入ったら入ったで、絵の才能ある人がたくさんいて、『自分なんてだめなんだろうな』と思い続けて」

-ネガティブ思考でいると、体調にも影響はあるんですか?

「そうですね。体調を崩しやすく、お腹の調子も悪く、精神的にも不安定でイライラしていました」

-1996年に漫画家デビューしてからはどうだったんですか?

「デビューしてからも、ネガティブだったんで、やっぱりうまくいかなくて。デビューしてからは、細川貂々という漫画家としての自分と、ネガティブな本名の自分の二つに分かれていたと思います。とにかく、足を引っ張っていたのは、本名の自分だった気がします」

-漫画家としての自分の中には、ネガティブさはないんですか?

「前向きは前向きで…。多分、ネガティブだけだったら、漫画家としてはつぶれていたと思います。漫画家の自分は、『仕事がほしい』『漫画家として成功したい』という思いがあったので、それがあったからやってこられた。だけど、足を引っ張る存在がいて、という感じ。おそらく、無意識に『ネガティブ思考クイーン』が出てくると思います」

-どういうときに、クイーンは出てくるんですか?

「例えば、原稿を出版社に持ち込みに行くでしょう? 編集者さんに『この作品じゃダメ』と言われたとして、クイーンが『ほらね。うまくいくわけないだろ』って言う。でも、漫画家の自分が『もう1回行く』。それで別の所に持ち込むと、『おもしろい』と言ってくれる編集者さんがいたりして、『おもしろいと言われた!』と喜んでいると、クイーンが出てきて『そんなわけないだろ』って否定してきたり。そういうやりとりをしていると、『おもしろい、って言ってくれたけど、無理だよね』と思っちゃうんです」

-クイーン…、困った存在ですね。

「結婚したツレ(夫)は、『なんですぐそうやって後ろ向きになるんだ。おもしろいって言ってくれた人を信じろ』って言うんですけど、またクイーンが出てきて『人なんて信用できるの?』。そういう繰り返しでした」

「だけど、35歳ぐらいのときに、ツレがうつ病になったんです。目の前のツレに合わせていると、私まで病気になってしまう。引っ張られないようにするには、私は前向きにならなきゃいけないと思いました。私が元気じゃないと、ツレをみてあげられないし。その辺から、変わらないとダメだと思うようになりました」

-変わるために、どうしたんですか?

「変わりたいと思ったけれど、なかなか変われないんですよね。そうこうしているうちに、ツレはうつ病、私はぜんそくみたいになっちゃって…。病院では、ストレスがたまると喉にくる場合があるから、それでせきが止まらないんじゃないか、と言われました。それで、ストレスをためないようにするにはどうしたらいいかを考えるようになりました。このままでは、ストレスが自分をダメにする、と思って」

(続く)

細川貂々さん

ほそかわ・てんてん

1969年9月生まれ。宝塚市在住。セツ・モードセミナー卒業後、漫画家・イラストレーターとして活動。夫のうつ病闘病を描いた「ツレがうつになりまして。」(幻冬舎)はベストセラーになり、ドラマ化、映画化された。近年は「それでいい。」(創元社)、「生きづらいでしたか? 私の苦労と付き合う当事者研究入門」(平凡社)など、ネガティブ思考の自身の経験をもとにした著書などを手掛ける。

【ツイッターアカウント】@hosokawatenten

【ホームページ】https://www.hosoten.com

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