生きるのヘタ会?×神戸新聞

細川貂々さんインタビュー

■(4)当事者研究に出会いました

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「生きるのヘタ会?」で進行役を務める細川貂々さん=宝塚市立中央図書館(撮影・藤家 武)
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手を挙げて発言する参加者と交流する細川貂々さん=宝塚市立中央図書館(撮影・藤家 武)
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「生きるのヘタ会?」のホワイトボードの前に立つ細川貂々さん=宝塚市立中央図書館
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子どものころから感じてきた「生きづらさ」や当事者研究について語る細川貂々さん=宝塚市栄町(撮影・中西幸大)

精神科医との出会いで、ネガティブな自分も「それでいい」と認められるようになった細川貂々(てんてん)さん。

次に、自分の弱さや苦労を仲間と話し合う「当事者研究」と出合います。

当事者研究って何ですか?

インタビューで詳しく教えてもらいました。

(聞き手・中島摩子)

-当事者研究について教えてください。

 

「自分のことを、自分自身で研究することです。研究っていうと難しいけれど、知るきっかけの場という感じ。自分の苦労や弱さを話したり、人の悩みを聞いたり、語り合ったりする中で、何か気づきがあるという…」

-どうして当事者研究に興味を持ったんですか?

「大阪で当事者研究をしているNPO法人『そーね』のチラシを見ました。初めは、私には関係ないってスルーしていたんです。それが、ネガティブ思考の自分も『それでいい』と認められるようになって行ってみようかな、と。思い切って行ってみました。そしたら、私みたいな人がいて…」

-てんてんさんみたいな人ですか?

「みんな、ぶつぶつぶつぶつ文句を言っていました。世の中に対して。人間関係がうまくいかないとか。そういうことをみんなが言っていました。自分と似た人がいるんだ、と思いました。それですごく、私はここにいていいんだ、居場所ってあるんだ、と思って…。温かい空気で、こういう場所って、いいなって思いました」

-自分が、自分の弱さと向き合うだけじゃなく、人に言うのはどんな意味が?

「口に出すと、自分が把握するんだと思います。しゃべることで、何に悩んでいるか理解できる。やっぱり苦手だったんだ…とか。確認できると強いと思います。自分が何に弱いか知らないと、弱いものにぶつかったときに、つぶれちゃうでしょう?だから、自分が何に弱いか自覚してると、逆に強く生きられるんじゃないかなぁ」

-当事者研究の集まりは、みんながほとんど初対面。ニックネームで参加して、悩みを言いますよね。

「知ってる人には、言えないことがありますよね。知らない人の中にニックネームの自分で座っていたら、しゃべってみようかな、になるんだと思います。集まりの最後になって、急にしゃべりだす人もいます。他の人たちが、悩みや弱いところをしゃべってると、つられて私もしゃべりたい!ってなる。そういうのがいいなと」

-2019年、宝塚市立中央図書館で当事者研究の会を始めましたね。

「私が参加した『そーね』は、大阪府豊中市の曽根地区でやっていて、宝塚からは行くのはちょっと面倒くさい。近くにあるといいのにな、と思って。それなら自分でやればいいじゃん、で、『生きるのヘタ会?』を始めました。試行錯誤しながら、私流でやっています」

-当事者研究の集まりにルールはありますか?

「いつ出て行ってもいいし、また入ってきてもいいし、黙っていてもいいです。しゃべるのは、できたら5分以内でお願いしています。他にもしゃべりたい人がいるので」

「あと、当事者研究のグループによっていろいろ違うと思いますが、私は否定しないことにしています。否定されちゃうとつらいし、先に進めません。話すって勇気がいるから、話してくれたときは、ありがとうの気持ちで受け入れます」

「アドバイスもしません。あなたはこうした方がいい、というのは否定になってしまうと思います。当事者研究の集まりに来た人は、答えを見つけたくて来てるんじゃなくて、話したい。自分が思ってることを聞いてほしいから来てるので、アドバイスは余計です。どうするかは、自分自身で考えてもらったらいいかな」

(続く)

細川貂々さん

ほそかわ・てんてん

1969年9月生まれ。宝塚市在住。セツ・モードセミナー卒業後、漫画家・イラストレーターとして活動。夫のうつ病闘病を描いた「ツレがうつになりまして。」(幻冬舎)はベストセラーになり、ドラマ化、映画化された。近年は「それでいい。」(創元社)、「生きづらいでしたか? 私の苦労と付き合う当事者研究入門」(平凡社)など、ネガティブ思考の自身の経験をもとにした著書などを手掛ける。

【ツイッターアカウント】@hosokawatenten

【ホームページ】https://www.hosoten.com

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