日本にいながら海外留学や滞在気分をたっぷり味わえる画期的な複合施設「W Station」が大阪・長堀橋にオープンし、話題になっている。1階はニューヨークのグランドセントラル駅をイメージ。宿泊はもちろん、シェアオフィス、カフェバー、BBQやサウナなどができるスペースが一体化されている。施設のコンセプトは「人と未来をつなぐ駅」。その背景には運営者で元高校球児、山岡裕也さん(30)の留学失敗体験があった。山岡さんに話を聞いた。
■異国情緒を感じるなら夜のバーがいい
思わず外国のバーに迷い込んだような錯覚を起こしてしまう。大阪・長堀橋の一角。4階建てからなる複合施設「W Station」を訪ねると、そこだけが異彩を放っていた。
1階のカフェバーをのぞいてみると、スタッフはドイツ、アメリカ、韓国などほぼ全員が外国人。奥にはバーカウンターがあり、壁にはニューヨークのグランドセントラル駅をイメージしたクラシカルな時計が描かれている。オープンしたのはコロナ禍の昨年3月。24歳で起業したという山岡裕也代表取締役が言う。
「いろんな人が出入りするのが駅。ここが人と未来をつなぐきっかけになれるようにと考えました」。壁に描かれた時計の針にも意味を込めた。よく見ると日付が変わる寸前。「それぐらい時間を忘れて楽しんでいただければ」。建物は4階からなり、2階はシェアオフィス。3、4階部分は宿泊施設となっており、通常の宿泊はもちろん、本格的な海外留学に向けてプチ体験もできる。
部屋名はルームナンバーではなく、なぜか「なんば」「心斎橋」「梅田」「天王寺」をはじめ「堺」や「鶴橋」など大阪の11の駅名が付き、駅周辺の観光地や飲食店などのおすすめスポットを写真で案内。さらに屋上には最大30人が利用でき、BBQパーティーやテントサウナを楽しむこともできる。
■これからの季節はルーフトップスペースがおすすめ
「これからの季節はルーフトップスペースがおすすめです。壁に映し出すプロジェクターも用意していますし、サウナもあります。利用は4人以上から。将来は、このような施設を京都や福岡にも出して行こうと思っているんですよ」
こう話す山岡さんは大阪出身。野球留学で名門の八戸学院光星へ進んだものの、直後に肘を故障し挫折感を味わった。一時は腐りかけたと言うが、当時の監督が目をかけてくれ、2桁背番号ながら部員60人を束ねるキャプテンに。決勝で敗れ、甲子園出場は叶わなかったものの、多くのものを学んだ。
「後ろ向きでは歩きにくいやろ。だから常に前向きに生きろ」
「ゴミも拾えないような選手はチャンスも拾えない」
監督の言葉はいまでも耳に残っている。濃密な3年間。しかし、起業につながる人生の修業は、卒業後の米国留学で学ぶ、いや学ばされることになる。
■自身の留学経験により、留学会社を立ち上げようと思った
「サンディエゴのオールドタウンのある家庭にホームステイしたのですが、日本の留学会社から聞いている話と違って、学校までは遠いし、毎日がジャンクフードばかり。問い合わせてももちろん、返金もなし。自分で探すといいところがあったので、そのときに留学会社を立ち上げようと思ったんですよ」
帰国後、デザイン会社に就職し、6年前に起業すると海外留学、英会話学校など立ち上げ、さらに幅広い年齢層の外国人に特化したモデル事務所を設立した。これがのちに救世主となる。
「外国人の中にはシンガーなど様々な職業の人がいて、マッチングできないかと考えました。聞いてみると、みなさん、コミュニティーを求めていたんですよ」
禍福は糾える縄のごとしという。起業後はコロナ禍もあり、決して順風満帆だったわけではないが、経営危機を救ってくれたのも実はモデル業だった。映画「ルパンの娘」「耳をすませば」などに出演する外国人エキストラを依頼できないかという連絡を受けたのだ。
「海外で撮影ができなくなったことが結果的にプラスに。何百人の外国人モデルがいる事務所はそうそうない、ということで声が掛かりました」
ピンチを何とかチャンスにし、いまへ。その集大成のひとつともいえるのがこの「W Station」だ。
「いままでは宿泊、留学、シェアオフィス、飲食、サウナ、BBQなどが別々でしたが、この建物に来れば全部がそろっています。いろんな人、いろんな国の人で出会い、ここが出発駅となり、次の人生に向け、旅立ってください」
体験し、学べる空間。特に異国情緒を感じるなら夜のバーがいい。
▼W Station
大阪府大阪市中央区島之内1丁目11-32
(まいどなニュース特約・山本 智行)
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