
監視所があった花山
兵庫県豊岡市出石町田結庄の角岡巌さん(85)が旧室埴(むろはに)村役場に就職したのは1944(昭和19)年9月。戦時色はひときわ濃く、仕事の内容は、戦死公報や赤紙と呼ばれた召集令状の配達、上空を通過する米軍のB29爆撃機などの監視だった。
監視所は、出石鉄道出石駅近くの花山の頂上付近にあった。出石鉄道は江原(豊岡市日高町)と出石を結んでいたが、戦局の悪化に伴い44年5月、大半の区間で営業休止されていた。監視業務は当時の出石町と室埴村、小坂村の職員が交代で勤務し、24時間態勢で警戒していた。3町村などは57年、合併して旧出石町となる。
この記事は会員限定です。新聞購読者は会員登録だけで続きをお読みいただけます。