
糖尿病患者の腹部に装着されたセンサーから、スマートフォンに血糖変動の記録が自動送信される「ガーディアンコネクト」(日本メドトロニック提供)
糖尿病患者の治療では、血糖値を正常な範囲内にコントロールすることが重要。特に膵(すい)臓(ぞう)からインスリンがつくられない「1型糖尿病患者」には血糖値を下げるため注射などでのインスリン投与が必要になる。近年は、注射ではなく、血糖変動を常時計測し予測によってインスリン投与を停止・再開するなど、進化した機器が相次いで登場している。変動は就寝中などに見逃されやすく、リスクのある低血糖や高血糖を防ぐことにつながっている。
インスリンを自ら注射する患者は1日数回、指先から少量の採血をして血糖を測定し投薬量を調整。患者の負担感が大きかったが、2010年、参考値となるグルコース濃度の計測を通じ、血糖変動を導き出す測定器が、国内で保険適用された。
この記事は会員限定です。新聞購読者は会員登録だけで続きをお読みいただけます。
- 糖尿病の新薬に期待
2020/8/1~2020/8/1
今や国内の成人10人に1人がかかるとされる糖尿病。60年以上前から治療薬として「メトホルミン」が広く使用されているが、血糖値を下げるメカニズムは分かっていなかった。これについて神戸大学大学院医学研究科の小川渉教授(糖尿病・内分泌内科学部門)らの研究グループが、治療薬が「便の中にブドウ糖を排出させる」という働きを初めて確認した。詳しいメカニズムが分かれば、より効果を上げる新薬の開発にもつながると期待されている。(井川朋宏)

