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震災5年 被災者追跡アンケート

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家族が増えた喜び

 震災で家族三人が亡くなり、六人家族だったのが三人になってしまった。だが三年前に息子が結婚し、翌年に孫が生まれて家族が増えたのが、何よりもうれしい。(須磨区、50代男性)

無我夢中の五年間

 本当に苦しかった。五年間、無我夢中でがんばってきた。でも、いまだに売り上げが伸びない。景気がよくなれば借金がなくなるのか…。国会や県会、市会の議員の方々も本当に、被災者の気持ちを分かってほしいのです。(垂水区、50代男性)

高齢者に援助を

 住居のない人に遠慮して子どもたちの家を転々とした私たちと、仮設に入った人との差が大きすぎる。震災の二年後に小さな家を建てたが、中は空っぽ。それに引き換え、仮設から公営住宅に移る人たちの荷物の多いこと…。腹を立てながらも、地区のまちづくりのために動き回った。(須磨区、70歳以上男性)

募る不信

 震災から五年たった今でも区画整理が全然進んでいない。仮換地のめどすら立たないのが現状で、先がまったく見えない。取り残された地区の住民の思いを、行政は本当に理解しているのか。いらだちと不信が募る。(須磨区、60代男性)

これからは前向きに

 復興住宅に当たって入居していく人たちを見ながら、取り残されていく不安やいらだちを感じた。だが、いつまでも被害者意識を持っていては、地震に遭った経験を生かせません。いろいろな出来事をこれからの生活に生かせるよう、前向きに歩んでいきたい。(須磨区、70歳以上女性)

災害援護資金は無利子に

 住宅を再建するために災害援護資金を三百五十万円借りたが、来年二月から毎年約三十八万円ずつ返済せねばならず、年金生活で果たして返していけるか心配で仕方ない。無利子にし、もう少し返済猶予期間を長くしてもらえないかと思います。(東灘区、50代男性)

ローンと学費で苦しい生活

 長男は来年高校を卒業しますが、就職先がないので専門学校に行くことになり、学費がかさみます。長女は高校生、二女は中学生です。これからローンと学費で返済がもっと苦しくなる。仕事がなかったり、必死で仕事をしてローン返済に苦しんでいる人から利子を取るのは納得がいきません。災害貸付を無利子にしてほしい。(東灘区、40代女性)

震災が人生の節目

 仕事が設備関係なので、震災後は忙しかった。でも長くは続きませんでした。この五年、いろんな人たちと巡り合い、結婚して子供ができたのが印象に残ります。ある意味では私にとって、震災が大きな人生の節目だったように思います。(長田区、30代男性)

ボランティアに感動

 震災後、弱肉強食の惨状を見るのでは、と恐れていました。奪い合いに近い状態がないではありませんでしたが、ボランティアの献身的活動の前に、人々はようやく落ち着きを取り戻しました。そうした人たちの助力を得ながら、大過なく生活してこれました。日本人の中にこんなに多くの人がボランティア活動に参加したことに驚き、自分の不明を恥じました。「日本人も捨てたもんじゃない」と思いました。(須磨区、70歳以上男性)

人の暖かさ知った

 自宅が全壊し、私の実家で一年間、家族四人で暮らしました。主人はストレスで十三キロもやせましたが、話し合って元の場所に家を建てることを決めました。二重ローンを抱え、一番大変だったのは主人だったと思います。子供も転校した学校になかなか慣れませんでした。でも、周りの人に支えられ、今の生活を手に入れることができました。金銭的には震災前よりずっと苦しい生活ですが、家族の絆(きずな)が深まり、人の暖かさを知ることができました。(東灘区、40代女性)

2000/1/12

 

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