兵庫県内の公立学校(小・中・高校)の耐震改修は、どれくらい進んでいるのだろう。兵庫県教委は学校の安全確保を目指して「地震防災緊急事業五カ年計画」を策定。二〇〇一・〇五年度に小、中学校二百六十四校の補強や改築をするよう市・町教委に求めている。
県教委が集約しているのは昨年四月現在のデータ。それによると、耐震化が済んだのは、小学校が三千四百三十二棟のうち千五百四十四棟(45%)▽中学校が千七百六十八棟のうち七百八十棟(44%)▽高校は千五十五棟のうち三百三十五棟(32%)。全体では43%となっている。
地区別では、淡路で全棟の52%、中播磨で52%が補強を終えた。一方、阪神南は24%、西播磨は39%にとどまっている。
補強前に必要な耐震診断は全体の23%で実施。地域差が大きく、中播磨の44%、東播磨の36%が実施済みなのに対し、神戸では3%、阪神北では13%だけだ。県教委学事課は「被災地では、校舎の再建や修繕に力が注がれ、結果的に耐震診断が後回しになったのではないか」とみている。
小、中学校の場合、補強に必要な費用のうち、校舎では国から二分の一、体育館では三分の一の助成がある。高校に対しては国からの補助はないが、山崎断層に近い県立夢前高と、有馬高槻構造線に近い県立宝塚東高で補強が完了している。(新開真理)
2002/6/5