日本海からのびる寒冷前線が、兵庫県を通過している。上空約五五〇〇メートルに氷点下二七度の寒気が流れ込み、強い冬型の気圧配置が予測された。予報官は気象庁から送られる地上天気図や、上空の気象状況を示す高層天気図、レーダーの雲の動きに目をこらすと、但馬に大雪、着雪注意報などを発表した。
神戸海洋気象台。気象庁からの情報や、兵庫県内二十六カ所に設けるアメダス(地域気象観測システム)が観測したデータなどに基づき、天気予報を発表する。予報官の勤務は二十四時間態勢だ。
「人命にかかわる警報などは社会への影響も大きく、発表のときは緊張の瞬間」と金森恒雄さん(56)。しかも情報は早く伝えなければならない。
昨夏、短時間の局地的豪雨で川が増水し、五人の命を奪った神戸市灘区の都賀川水害が頭をよぎる。「何とかならなかったのか」。予測困難な現象は、調査、研究を重ね、仕組みの解明を目指している。
「成果を生かし、次は精度の高い情報をより早く」。金森さんは力を込めた。(藤家 武)
2009/1/8