連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

(1)小谷さかゑさん(神戸市灘区) 1枚の写真 悲しいのに懐かしい
  • 印刷
13年前の写真を手に、震災を振り返る小谷さかゑさん=神戸市灘区鶴甲5、新翠光園
拡大

13年前の写真を手に、震災を振り返る小谷さかゑさん=神戸市灘区鶴甲5、新翠光園

13年前の写真を手に、震災を振り返る小谷さかゑさん=神戸市灘区鶴甲5、新翠光園

13年前の写真を手に、震災を振り返る小谷さかゑさん=神戸市灘区鶴甲5、新翠光園

 「悲しい写真やのに、懐かしいね」。小谷さかゑさん(92)は、13年前の写真を手に言った。

 神戸市灘区で阪神・淡路大震災に遭った。直後、夫の亀市さんと岡山県邑久町(現瀬戸内市)の町営住宅に避難した。神戸に戻るすべのない小谷さんを現地に訪ねたのは1997年はじめだった。

 取材の直前、小谷さんは夫を亡くした。「頑張って」。小谷さんがさびしそうに見えたのか、写真を撮るとき、近くの住民が声を掛けてきた。

 「神戸に帰りたい」。小谷さんは97年、東灘区の復興公営住宅への入居がかなう。同年、灘区の老人ホームへ、そして昨年、近くの介護の手厚い老人ホームへ移った。

 「励まされてうれしかった。記事を読んだ人から手紙をもらい、文通を続けている人もいる」。懸命に生きてきた15年。流した涙には悲しみ、そして喜びが詰まる。

 小谷さん、どうか、いつまでもお元気で。(三津山朋彦)

    ◆

 震災から15年。傷ついた人、新たな一歩を踏み出した人…。それぞれの「物語」を追った。

2010/1/14
 

天気(9月6日)

  • 34℃
  • ---℃
  • 0%

  • 35℃
  • ---℃
  • 0%

  • 35℃
  • ---℃
  • 0%

  • 37℃
  • ---℃
  • 0%

お知らせ