昨年末、兵庫県佐用町久崎。夏の水害の傷跡が残る被災地に、学生ボランティア「中越・KOBE足湯隊」のメンバーがいた。
湯を張ったたらいに足を浸してもらい、手を取ってマッサージをしながら語り掛ける。
「ご自宅のある場所に水は来ましたか? 大変だったでしょう」
「うん。長靴を履いて、一日中、家の泥を出した。足が痛くなってね」
足湯を始めたのは阪神・淡路大震災だった。2004年の新潟県中越地震で復活。07年の能登半島地震からは神戸大、神戸学院大など全国の学生数十人が「-足湯隊」を結成し、全国を巡る。
復興とともに、足湯への関心は薄れる。「それでも」。神戸大2回生、鈴木孝典さん(20)は言った。「被災地で出会い、語り合った人々に、また会いたくなるんです」
人ありて町。今年も、足湯隊は各地を訪れる。(三津山朋彦)
=おわり=
2010/1/20