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(4)前田稔さん夫妻(神戸市須磨区) 店舗再建 負けへんいつも胸に
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笑顔あふれる店内。常連客との会話を楽しむ前田稔さん(左)、妻の節子さん=神戸市須磨区千守町1、前田酒店
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笑顔あふれる店内。常連客との会話を楽しむ前田稔さん(左)、妻の節子さん=神戸市須磨区千守町1、前田酒店

笑顔あふれる店内。常連客との会話を楽しむ前田稔さん(左)、妻の節子さん=神戸市須磨区千守町1、前田酒店

笑顔あふれる店内。常連客との会話を楽しむ前田稔さん(左)、妻の節子さん=神戸市須磨区千守町1、前田酒店

 あの日、すべてが灰になった。

 神戸市須磨区千守町で酒販店を営む前田稔さん(72)は、火災で自宅兼店舗を失った。「負けてたまるか」。妻の節子さん(64)と再起を誓ってから、15年がたった。

 気軽に立ち飲みができる店だった。廃業も考えたが、1カ月後には仮設店舗で営業再開にこぎ着けた。節子さんは「わざと忙しくして、嫌なことを忘れようとした」と当時を振り返る。

 2002年、自宅兼店舗を再建した。常連客の多くは戻ったが、売り上げは震災前に及ばない。それでも、20人も入れば満杯となる店は、日没とともに、客の笑顔や陽気な話し声で満ちる。海や山の幸が持ち込まれ、テーブルを彩る夜も多い。

 「周囲の人に支えられて今がある。地道に商売を続け、感謝を伝えたい」と稔さん。

 誓うは“生涯現役”。2人は今宵(こよい)も、元気よく客を迎える。笑顔のキャッチボールが始まる。

2010/1/19
 

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