東日本大震災の発生から間もなく4年になるが、今も兵庫県内だけで900人近い避難者が不安定な生活を余儀なくされている。
「みなし仮設住宅」扱いとなっている公営住宅の入居期限は1年更新のため、避難者は経済的、精神的な不安を抱え続けている。東京電力福島第1原発事故の避難者は帰還のめどすら立たず、津波で家を失った人々も、かさ上げや高台移転事業の大幅な遅れで先行きは見えていない。
避難者を積極的に受け入れる岡山市では「移住」を視野に入れた支援が始まっている。自治体の工夫次第で避難者が新たな生活に踏み出すことができることを示している。
阪神・淡路大震災でも、兵庫を離れた避難者は「属地主義」による支援の壁に直面し、孤立感を深めた。
懸念される南海トラフ地震などは被害が想定される区域も広く、広域避難の問題は一層深刻化するだろう。
災害救助法に基づく短期的な支援にとどまらない、長期的な支援が可能な新たな立法措置を急ぐべきだ。