阪神・淡路大震災では、被災者や遺族の心の復興には長い時間がかかることが明らかになった。年月が心の傷を癒やすわけではなく、生活再建の行き詰まりやその後の体調悪化により、時間を経て精神的な問題が深刻化する被災者もいる。
全国初となる心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療・研究機関「兵庫県こころのケアセンター」(神戸市中央区)の実践や民間団体・あしなが育英会による遺児支援など「兵庫発」の蓄積を今後の災害対策に生かしていかねばならない。
東日本大震災の被災地では、兵庫との連携が進んでいるが、その取り組みを息長く続けていく必要がある。
阪神・淡路では、行政が「震災障害者」の問題に取り組むまでに10年もの年月を要し、震災で障害を負った人の実態は今も分かっていない。
心身に傷を負った人を長期的に支える仕組み、窓口の充実を、これからも進めていかなければならない。