波打ち際を1両編成の列車が走る。車内に座っていても、波がすぐそばまで打ち寄せる感覚になる。
北条鉄道(兵庫県加西市)に来た「キハ40形535」は1979年に製造され、東能代駅(秋田県)と川部駅(青森県)を結ぶJR五能線を40年以上走り続けた。西に日本海、東に白神山地を間近に望む、絶景の路線として名高い。
キハ40形は前後方に運転席があるワンマン車両ため、方向転換はしない。上りも下りも同じ一方の面だけが、潮風にさらされる。このため車両の表面は、切り傷のかさぶたのように膨らみ、塗装が剥がれている。
JR東日本秋田総合車両センターの小野金栄さん(63)は78年から気動車修繕を担当し、キハ40形の修繕や検査に関わった。4年に1度の車検では床下のエンジン、ラジエーター、送風機などほとんどの機械を外し、ねじや歯車を分解して部品を交換。エンジンの配管は何度取り換えたか分からない。鉄板は穴が空きそうな箇所に別の鉄板を張った。「よく見ればつぎはぎだらけだ。しかし、まめに手を加えたから今がある」と語る。
1998~2003年、キハ40形は冷房化改造を施した。床下のエンジンを小さくして、隣にクーラーのコンプレッサーや発電機を取り付けた。外装も変え、白神山地の雪山をイメージした白と日本海の青色に塗り替えた。後に「五能カラー」と称された。
部品がなくなる恐れがあったエンジンは新たに取り換えられた。当初は不具合があったが、改良が重ねられ、小野さんは「まだまだ使える車両」と胸を張る。
◇
21年9月、秋田総合車両センターから北条鉄道へキハが輸送される際には、同センターの勤務者やOBらが見送った。同センター生産技術課の久米大さん(46)は「『最後だ』とみんなが見送りに来ていた。思い入れのある車両だったんですね」と振り返る。
小野さんは現在、キハ40形の廃車作業の技術支援や指導を担当している。自身の技術の全てをかけたキハの「生まれから最後までを見届ける」と自負する。
青と白の五能線色のキハは、ミャンマーに譲渡する案もあったが、政変で変更された。現役は北条鉄道のみだ。「活躍の場を設けてもらえてありがたい。もっと、あちこちで活躍してほしかったけどね。この仕事が終わったら、ひょっとしたら乗りに行くかもしんねえな」
(敏蔭潤子)
=おわり=
【連載一覧】
<1>再出発、想像以上の人気 乗客増、愛好家が人垣
<2>車両を呼んだ男 希少価値に利点見いだす
<3>東北出身の運転士 憧れた故郷の列車と再会
<4>亡き親友と夢見た光景 長駅のボランティア駅長・浦浜さん

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