資源循環のインフラへ転換を/森林、農業、地下水の再生図る
開発や公害による「瀕死(ひんし)の海」からの再生を目指した「瀬戸内海環境保全特別措置法」(瀬戸内法)が制定から50年を迎えた。半世紀で水質は改善された一方、海は栄養不足が顕著となり、漁業の不振が深刻化。豊かな海づくりを掲げる県民会議を発足させた兵庫県も、新しいビジョンが求められている。海の変化を現場から捉えてきた水産大学校元理事長の鷲尾圭司さん(70)は、昭和の公害時代に整備された環境インフラを「資源循環型」に更新することが、痩せ細った瀬戸内海を救うために必要という。(辻本一好)
