安倍派を中心とした自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件は、この人を抜きには語れない。神戸学院大法学部教授の上脇博之さん(65)だ。地道な調査に基づき、各派閥でパーティー収入の不記載があったとして政治資金規正法違反容疑で刑事告発、捜査のきっかけをつくった。しかし、パーティー券の販売ノルマの超過分を議員側へ還流させていた裏金づくりの実態解明は、いまだ進んでいない。国会では政治資金規正法の改正論議がかまびすしいが、「政治とカネ」の不正を断つことはできるのか。今も告発を続ける上脇さんに聞いた。(森 信弘)