阪神甲子園球場(西宮市)が開設100年を迎えた。まだ日本に本格的な大型球場がなかった時代、鉄筋コンクリート造りで50段の内野席などを備え、8万人を収容する画期的な施設として誕生した。4カ月余りの突貫工事ながら当時の柱や梁(はり)は今も残り、阪神・淡路大震災でもほとんど被害がなかった。高校球児の聖地、そして阪神タイガースの本拠地として、人々に愛され続ける「甲子園らしさ」とは? 阪神電鉄と大林組で2007~10年の大規模リニューアル工事を担い、新旧の球場をよく知る設計者2人に設備や構造の話を交えながら解説してもらった。(伊丹昭史)

■阪神電鉄 妹尾 昭孝さん(56) いつもスタンドに出ると感動
-古くなると別の場所に建て替えられる球場が多い中、甲子園球場はずっと同じ場所で選手やファンとともに歩んできました。