冬の朝、神戸空港発の飛行機を山上から撮影した。カメラを構えたのは「妙見堂跡下展望所」(神戸市須磨区西須磨)と呼ばれるビュースポットだ。JR須磨駅から北西へ歩いて30分ほど。住宅街の上り坂を抜け、山へと続く急な階段を一段ずつ踏みしめていく。息が上がり、体が次第にほてってくる。最上部付近に達すると視界が開け、淡い光に包まれた海と、目覚めかけた市街地が広がっていた。

山道は夜明け前から人の気配が絶えない。登山が日課の地元住民たちが息を弾ませて行き交う。その一人、40年以上前から毎朝登っているという高齢男性がほほ笑んだ。「ここから眺めれば、飛行機の航路がよく分かるでしょう」。登山者たちと並び、朝焼けを眺める。時刻表をスマートフォンで確認しながら、離陸を待った。太陽が刻々と輝きを増す。