東の空がオレンジ色に染まる。華やかさが「1000万ドル」とも称される夜景と競演。その背後にはびょうぶのようにひときわ大きな山々がそびえる。

 東西およそ30キロにわたって広がる山地「六甲山」だ。東西に連なる群峰を眺めると、遠く淡路島まで延びているようにも見える。

六甲山の連なりの先には淡路島が見える=2025年11月4日、神戸市灘区から(ドローンで撮影・風斗雅博)

 最高峰は931メートル。元々はなだらかな低い丘だったが、およそ100万年前から東西方向の圧力によって隆起した。かたや海底は大きく沈み込み、大型船が接岸できる天然の良港を生み出した。

日暮れとともに浮かび上がる山のふもとの街明かり=2月14日、神戸市中央区の神戸ポートピアホテルから(撮影・吉田敦史)

 作家の故・陳舜臣氏は故郷の神戸について「六甲の山なみにすがりついているまち」と表現。山と海に挟まれたわずかな陸地に密集する無数の明かりは、日本有数の景観美を生んだ。

神戸のまちを取り囲むようにそびえる六甲山=1月21日、淡路市岩屋から(撮影・風斗雅博)

 200万人規模の大都市圏のすぐ近くに千メートル近い山地が横たわるのは全国でもあまり例がなく、植物の生態に詳しい兵庫県立大学の服部保名誉教授(78)は「日本一の都市山」と評する。