東の空がオレンジ色に染まる。華やかさが「1000万ドル」とも称される夜景と競演。その背後にはびょうぶのようにひときわ大きな山々がそびえる。
東西およそ30キロにわたって広がる山地「六甲山」だ。東西に連なる群峰を眺めると、遠く淡路島まで延びているようにも見える。

最高峰は931メートル。元々はなだらかな低い丘だったが、およそ100万年前から東西方向の圧力によって隆起した。かたや海底は大きく沈み込み、大型船が接岸できる天然の良港を生み出した。

作家の故・陳舜臣氏は故郷の神戸について「六甲の山なみにすがりついているまち」と表現。山と海に挟まれたわずかな陸地に密集する無数の明かりは、日本有数の景観美を生んだ。

200万人規模の大都市圏のすぐ近くに千メートル近い山地が横たわるのは全国でもあまり例がなく、植物の生態に詳しい兵庫県立大学の服部保名誉教授(78)は「日本一の都市山」と評する。