■火葬が大半、以前は土葬や風葬も/自然に帰す感覚、今なお

 奈良県や京都府の一部に残る土葬の風習を克明に記録した「土葬の村」(講談社現代新書、2021年)という本がある。著者は弔いの風習を長年、調べてきたルポライターの高橋繁行さん(71)=大阪市。2月に出した新著「日本の自然葬 風葬・土葬から樹木葬・循環葬まで」(講談社現代新書)では沖縄の風葬やアイヌの土葬のほか、樹木葬、散骨、循環葬など新しい形の自然葬も取り上げた。「火葬率がほぼ100%という現代日本は、ちょっと異常だと思う」と話す高橋さんに、日本人の弔いはどのように変わってきたのかを尋ねた。(長谷部崇)

-土葬について調べるようになったきっかけは?

 「1990年代初めに取材した葬儀会社の社長から『大阪府能勢町に土葬が残っている』と聞き、調べたのがきっかけです。当時はまだ大阪府内にも土葬が残っていました。その後、葬送のしきたりを記した民俗学者の柳田国男や五来重(ごらいしげる)に傾倒し、弔いの風習をもう一回、ちゃんと調べようと思いました。21世紀になってから本格的な調査を始めましたが、その頃には土葬はあらかた消滅していましたね。それでも滋賀県に土葬の体験者がまだたくさんおられたので、地方の集落を訪ね歩き、古老から聞き取り調査をしました」

 「そうこうしているうちに、奈良県に土葬の村が残るエリアを見つけました。東日本大震災があった2011年前後のことです。驚きましたね。具体的には、奈良県東部の柳生の里を中心にした山間部一帯と隣接する京都府南山城村です。ただ、住民たちも古くから伝わっていた細かいしきたりが分からなくなっていて、土葬に詳しい住職が一から教えないといけなくなっていました」

-土葬はどのような流れなのですか。