六甲山地には、人々の祈りの姿がある。それは、この山々が畏敬の地でもあることを現代に伝えている。

 例えば、芦屋市と神戸市東灘区の境にある高座の滝。落差は約10メートル。古くから修験道の行場だったという。

 しぶきの中で、白装束に身を包んだ人がじっと手を合わせていた。そばで山伏がお経を唱え、鈴を鳴らし、ほら貝を吹く。今もこうして修行する人が、わずかではあるが、この山地には存在している。