阪神・淡路大震災から学ぶ「こども震災学校」の夏休み特別編が2日、神戸市中央区の神戸新聞社で開かれた。北淡震災記念公園(淡路市小倉)の総支配人米山正幸さん(59)と、長女で語り部の未来さん(30)=いずれも淡路市在住=が講師を務め、小学生11人に命を守る備えを伝えた。

感想文を書く児童を見守る米山正幸さん(後列右)と未来さん(同左)=神戸市中央区東川崎町1、神戸新聞社

■地震の瞬間「ダンプカーがぶつかってきたと感じた」

 神戸新聞社が語り部団体などと連携し、昨年4月から開催。5回目の今回は当時、旧北淡町(現淡路市)の富島地区で被災し、消防団員として救助活動をした正幸さんと、生後2カ月だった未来さんが語った。

 正幸さんは地震の瞬間を「ダンプカーがぶつかってきたと感じた」と表現。家族を避難所に送り届けた後、近所の人を助け出した経験を克明に話した。震災で娘を亡くした女性の手紙も読み上げ、「親にとって子どもがいなくなるほど悲しいことはない。自分の命を自分で守る意識を持って」と訴えた。

感想文を書く児童を見守る米山正幸さん(左)と未来さん(左から3人目)=神戸市中央区東川崎町1、神戸新聞社

 未来さんに当時の記憶はないが、経験者から話を聞き、6年前から語り部を続ける。「家具を固定するなどの教訓は、(失われた)命の上に成り立っている」と強調し、自分に必要なものを入れた非常持ち出し袋の準備などを教えた。

 丹波篠山市立味間小5年の降矢花珠さん(10)は「震災の被害を詳しく知ることができた。備えをしっかりしたい」と話していた。

(上田勇紀、杉山雅崇)

後日、詳報します