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2連覇達成の阿部詩 柔道の世界選手権女子52キロ級決勝でロシア選手(下)に一本勝ちし、2連覇を達成した阿部詩=日本武道館
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2連覇達成の阿部詩 柔道の世界選手権女子52キロ級決勝でロシア選手(下)に一本勝ちし、2連覇を達成した阿部詩=日本武道館
世界選手権でで優勝し笑顔の阿部詩=2019年8月26日、日本武道館
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世界選手権でで優勝し笑顔の阿部詩=2019年8月26日、日本武道館
世界選手権で闘志を燃やす阿部詩=2019年8月26日、日本武道館
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世界選手権で闘志を燃やす阿部詩=2019年8月26日、日本武道館
高校卒業
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高校卒業
兄と世界へ
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兄と世界へ

 いつの間にか、相手が倒れている。柔道女子52キロ級、阿部詩(うた)(日体大1年、夙川高出)が投げるスピード、切れは一級品だ。一本を取りにいく正統派の世界女王は、日本のお家芸を背負って立ち、2020年東京五輪の主役になる。

 19年夏、五輪と同じ日本武道館で開かれた世界選手権。リオデジャネイロ五輪覇者のマイリンダ・ケルメンディ(コソボ)を破って2連覇し、衝撃を与えたが、「五輪で優勝するまでは、本当のチャンピオンではない」と言い切る。

 秋のグランドスラム大阪大会は決勝でフランスの難敵に惜敗。夙川高1年のシニア国際大会デビュー以来、続いた対外国勢無敗記録は途絶えたが「2番の表彰台に乗る感覚を味わえた。負けをしっかり受け止めることが、さらなる成長につながる」とどんな材料も自らの血肉にする。国内の代表争いでは今なお、優位は揺らがない。

 3人きょうだいの末っ子。神戸の和田岬で育った。ままごとをしてくれたらと、両親が家の形をした大きな遊具を用意すると、小さな体で屋根に上り、豪快にジャンプ。そんなおてんば娘だった。

 兄で男子66キロ級の一二三(日体大4年、神港学園高出)を追い、5歳で柔の道へ。「お兄ちゃんがするなら詩もする」と3歳上の兄にも闘志むき出し。「天性の勝負師」といわれる原点があった。

 いよいよ夢舞台の幕が上がる。女子52キロ級、日本勢初の金メダルへの道。20歳の叙情詩は畳の上で紡がれる。(藤村有希子)

【阿部 詩(あべ・うた=柔道女子52キロ級)】2000年7月14日生まれ、神戸市兵庫区出身。5歳で柔道を始め、夙川高1年時の17年2月に史上最年少の16歳で国際柔道連盟(IJF)主催の「ワールドツアー」を制覇。3年時に初出場した18年世界選手権は5試合全て一本勝ちで優勝。19年に2連覇。男子66キロ級で元世界王者の一二三(日体大4年、神港学園高出)は兄。得意技は袖釣り込み腰、内股。日体大1年。159センチ。19歳。

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