神戸での最終戦に向け、笑顔で意気込みを語るイニエスタ=神戸市西区、いぶきの森球技場(C)VISSEL KOBE
神戸での最終戦に向け、笑顔で意気込みを語るイニエスタ=神戸市西区、いぶきの森球技場(C)VISSEL KOBE

 J1神戸を退団する元スペイン代表MFイニエスタが30日、報道陣のオンライン取材に応じ、自身の最終戦となる7月1日の第19節札幌戦(ノエビアスタジアム神戸)に向け「最大限のパフォーマンスをし、ベストを尽くすことを約束する」と意気込みを語った。吉田監督も「出場すると思う」と39歳の世界的司令塔の起用を明言した。

 練習後に現れた背番号8は笑みを見せ、リラックスした表情だった。「コンディションは悪くない。試合にあまり絡んでいないのでリズムは足りないかもしれないが、最大限の力を出し、自分の最後にふさわしい試合ができれば」と口にした。

 シーズン後半を迎え、神戸は首位横浜Mより1試合消化が少ない中、勝ち点3差で2位につける。「自分やファンにとって特別な試合だが、同時に勝ち点3が懸かる。なんとしても勝たないと」

 今季は足を痛めるなどして出遅れたイニエスタ。強度の高いプレーで好調を保つチームにあって、復帰後もリーグ戦出場が3試合にとどまり「これまで変わらず、気持ちを込めて練習を続けてきた。良いパフォーマンスを発揮すると信頼してもらえていないと感じ、この数カ月、難しかった」と胸の内を明かす場面もあった。

 サポーターに対しては「感謝の言葉以外では表せない」と話し、ラストマッチをイメージした。「5年間の経験を思い、喜びや悲しみ、いろんな感情が入り交じると思う。感情的な揺さぶりがある中でも最大限試合に集中し、楽しみたい」

 元日本代表DF酒井も取材に応じ、去りゆく主将について「超一流の選手は人間性も超一流だという場面を、数々見てきた。彼の最後の試合。チームの士気も高まっている」と思いを込めた。(藤村有希子)