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2020年シーズンの新体制発表会見で、記念撮影に応じるINAC神戸の田中美南(前列中央)、ゲルト・エンゲルス新監督(後列右端)、安本卓史社長(同左端)ら。リーグ開幕の見通しは立っていない=1月27日、大阪市中央区
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2020年シーズンの新体制発表会見で、記念撮影に応じるINAC神戸の田中美南(前列中央)、ゲルト・エンゲルス新監督(後列右端)、安本卓史社長(同左端)ら。リーグ開幕の見通しは立っていない=1月27日、大阪市中央区

 新シーズンの始まりはいつになるのか。9日に開幕再延期が発表され、先が見通せないサッカー女子プレナスなでしこリーグ。新型コロナウイルスの影響で各クラブは活動を自粛し、スクール事業の停止などで減収は避けられない。7季ぶりの1部優勝を掲げるINAC神戸、初の1部昇格を狙うASハリマ(兵庫県姫路市)も例外ではない。(有島弘記)

■INAC神戸

 「昨年は創設19年目で初の黒字化。今季は大型補強に乗り出し、さらに盤石の体制にしようという思いで開幕を待つだけだったが…」

 覇権奪回に向け、4季連続得点王のFW田中美南らの獲得に成功した安本卓史社長は嘆く。就任1期目の昨季の経営は順調そのものだった。

 J1神戸で事業本部長を務めた経験を生かし、スポンサーを23社から41社に増やした。財政基盤を強くする一方、「未来への投資」として小中学生らの観戦を無料に。昨季のファンクラブ新規会員は約500人を数え、リーグ戦の1試合平均観客も3千人を突破した。

 さあこれからというタイミングで、新型コロナウイルスの猛威が直撃した。リーグ戦が成立すれば、経営を支えるスポンサー収入は確保できるが、「最も影響が大きいのがスクールとアカデミー」と安本社長は明かす。生徒らの会費で運営しているが、感染予防のため、2月下旬から順次、活動を停止。この間、指導者の人件費はクラブの持ち出しとなる。

 試合観戦を楽しむ日常が戻った後も、感染防止に万全を尽くすという。入場者の間隔を広げるためチケットを全席指定とし、購入者を確認できるようにウェブ上で売り出す。テレワークの広がりを受けた販売手法でもあり、安本社長は「ライフスタイルの変化に合わせ、デジタルツールを有効活用したい」と話す。

■ASハリマ

 国内女子トップクラスの事業規模を誇るINAC神戸と違い、ASハリマの岸田直美社長は昨季2部6位のチームを「街クラブ」と表現する。

 選手はスポンサー企業で働く。給与が一定水準に届かない選手には不足分をクラブが援助。勤務後の練習時には弁当を配り、新型コロナウイルス感染の広がりとともに、検温と問診で体調の変化にも目を凝らすようになった。

 こちらもアカデミーの活動停止に伴う減収は経営課題で、年間売り上げの8割を占めるスポンサー収入の確保は「企業の運営状態もある」と不透明だ。岸田社長は「いろんな意味で試されている。さまざまな方法で、新たな事業展開を模索したい」とスポーツ以外にも視点を向け、生き残りを図る。

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