新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全国中学校体育大会(全中)の中止が決まった。日本中学校体育連盟(中体連)が28日、各都道府県中体連などに通知したことを受け、兵庫県中体連は同日、県内各地区の理事長や各競技部の委員長に通達した。全国高校総合体育大会(インターハイ)に続き、10代のアスリートにとって最高の舞台が奪われることになった。
部活動の現場からは落胆の声が相次いだ。
毎年多くの兵庫勢が全中の表彰台に立っている陸上。県中体連陸上部の三木慎也委員長は「最後の舞台として全中を目指している3年生にとっては、目標が一気に途切れてしまった」と胸を痛める。県中学総体の開催可否は決まっていないが、陸上は標準記録を突破すれば全国大会に出場できることから「安全と言える状況になれば、せめて全中標準記録を突破したと言えるように、なんとか記録を残せる大会を開きたい」とする。
「全中に出られるのは一握りでも、目標としているチームも多い。かわいそうでたまらない」と肩を落とすのは、県中体連バレーボール部の小林隆洋委員長。「次のステップにいい形でつながるように、活躍の場をつくってあげられたら」と選手たちを思いやった。
大相撲の大関貴景勝らを輩出してきた名門報徳中相撲部は、2年前にも現三段目の大辻が個人準優勝を飾った。小寺貴之監督は「やっぱり残念。今の3年生は先輩の活躍を見て『僕たちも』と思っていたはず」と声を落とす。2月末の休校開始時から相撲を取れず、全体練習を再開できる時期は見通せない。小寺監督は「生活の中心だった相撲がなくなってつらいだろうが、いつか再開できたとき、今まで以上に一番一番を大切にしてくれたら」と気遣った。
8月に兵庫県内で集中開催される予定だった近畿中学校総合体育大会(中学総体)は既に中止が決定。7月下旬に予定されている兵庫県中学総体については、全中が中止になったことなどを踏まえ、県中体連が今後、開催の可否を協議する。
(金山成美、山本哲志)









