
サッカーJリーグ1部(J1)浦和レッズの岩波拓也選手(25)が5月から、故郷の神戸でオーナーを務める日本料理店「いそかみ」の特製弁当を、新型コロナウイルスの対応で業務量が増える川崎病院(神戸市兵庫区)に贈っている。1日の初回には「ささやかではありますが、お力になれれば」との手紙も添えた。
神戸市須磨区出身の岩波選手は2012年、J1ヴィッセル神戸の下部組織からトップチームに昇格。16年のリオデジャネイロ五輪では日本代表に選ばれ、18年に浦和に移籍した。
同年夏、同市中央区に「いそかみ」を創業。政府の緊急事態宣言を受けて4月7日から店を閉じているが、神戸時代に治療を受けた川崎病院の整形外科医から繁忙を聞き、弁当での支援を決めた。同病院によると、コロナ患者を受け入れていないが、発熱外来の診察を屋外テントで実施。院内感染防止に伴う精神的負担が増しているという。
弁当のメニューは、金沢や大阪・北新地の日本料理店で腕を磨いてきた料理長、大谷雅也さん(52)が日替わりで考え、5月2日の献立は、そぼろごはんとサワラの西京焼き、タケノコの土佐煮など和食を中心に。35食分を手際よく盛り付けた。
支援活動は当面続ける予定。岩波選手は「僕にとって神戸は育ててもらった大切な街。アスリートはいつもたくさんの人に支えられているが、プレーできない今こそ、力になる番」と話している。
(有島弘記)
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