バレーボールVリーグ1部(V1)女子のヴィクトリーナ姫路でオーナーを務める真鍋政義さん(56)が書面インタビューに応じ、新型コロナウイルスの影響でスポーツ活動の制限が続くトップ選手や中高生らにメッセージを寄せた。常にプラス思考を忘れず、2012年ロンドン五輪で日本を28年ぶりの銅メダルに導いた名伯楽らしく、「前を向いて、今できることを」と力強い。(金山成美)
-ヴィクトリーナ姫路も従来通りの練習、業務ができない状況だ。オーナーとして心掛けていることは。
「ファンやスポンサー、後援会の皆さまにお会いできない日々が続いているので、SNS(会員制交流サイト)で選手の明るい笑顔を届けられるようスタッフに動いてもらっている。緊急事態宣言が出ていた間、私はテレワークで、みんなの顔を見た時には、明るく笑顔、そして時にはおやじギャグで失笑を誘い頑張っている(笑)」
-中高生は部活動が行えず、目標の大会が中止になるなど、つらい思いをしている選手がたくさんいる。今の状況をどのように受け止め、過ごしたらいいか。
「目標としていた、または最後の大会が中止となってしまったことは本当に悔しく、やり場のない気持ちでいっぱいだと思う。しかし、チームメートとこれまで共に頑張ってきた過程は決して無駄ではないはず」
「一人でもできることはある。私は学生の頃、寝る時以外ずっとボールを触っていた。授業中も先生に断ってずっと。そうするとボールと友達になれた、というか、吸い付いてきてくれるような感覚になれた。バレーボールだけでなく、どんなスポーツでも同じではないか。ボールや道具に多く触れ、大事にすることで、きっと次につながると思う」
-東京五輪が1年延期となった。選手たちはどのように過ごせばいいか。また、1年後の五輪はどのような大会になるだろうか。
「私が現役であっても、延期になったことで準備期間が増えたとプラスに考える。いろんなアスリートも、同じことを言っていると思うが、後ろを向いても仕方がない、前を向いて、来年に向けてどう準備をするか。しっかり準備を重ねたアスリートたちが1年後、この日本で躍動してくれると期待している」
【まなべ・まさよし】1963年、兵庫県姫路市生まれ。同市立白鷺中でバレーボールを始め、大商大3年時にセッターとして日本代表に初選出された。86年に新日本製鉄入りし、88年ソウル五輪などに出場。2005年に現役引退し、久光製薬(練習拠点・神戸市)の監督に就任。08年から女子日本代表監督を務め、12年ロンドン五輪では銅メダル獲得に貢献した。16年リオデジャネイロ五輪は5位。監督時代、試合中にiPadを手に緻密なデータ分析をしながら指示を出す「IDバレー」が注目を集めた。16年にヴィクトリーナ姫路を立ち上げ、現在はオーナー。
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