撮影した昆虫の多くはサブタイトルの通り、私たち日本人の身近に息づくものばかりです。小さな生き物に宿る命の輝きを感じながらシャッターを切りました。
2015年の初夏から里山や都市などで生息する昆虫の採集を始めました。NPO法人「こどもとむしの会」(本部・神戸大学)の近藤伸一副理事長とともに野山を駆け巡りチョウや蛾、トンボなどを集めました。日本甲虫学会の山本勝也氏(神戸市須磨区)にもご協力を頂きました。同氏が主に兵庫県内で集めた約600匹の標本箱の中から撮影したものもあります。
当初、撮影にはさほど時間はかからないだろうと考えていましたが、結果的に撮影と取材、制作を含めて約3カ月かかりました。
昆虫は、自然の「結晶体」だと思います。微細なものを拡大できるマクロレンズを使いファインダーを通すと、その構造美が大自然と対峙するような圧倒される感覚に包まれました。もちろん種によって形状も違います。どのように撮影すれば、最大限の特徴をとらえられるのだろうかと、さまざまな角度から迫りました。
本サイトに登場した「カイブツ」たちを見ることで、小さくてもいかに多様な「自然」が私たちのそばに存在するかをご理解頂ければ幸いです。
最後に掲載した昆虫の生態について、山本、近藤両氏に教えを頂きました。あらためてここで感謝を申し上げます。
中西大二
※サイトに掲載している写真には、一部を修正しているものがあります