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水谷修さん
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 長い人生、山あり谷あり。渡る世間には鬼もいる。楽しく仕事をしたくても、笑って子育てしたくても、世の理不尽に振り回されて、ため息の出る事もある。残念な上司、困った同僚、厄介な隣人、ダメな自分。悩める世代には「トリセツ」(取扱説明書)が必要。「夜回り先生」水谷修さんが、小さな心のささくれにお答えします。

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 Q、最近の取引先とのやり取りは、ほとんどメール。でも相手によっては、なかなか返信が来なくて、困ることがしばしばあります。相手に失礼がないよう返信を催促するような文面や表現はないものでしょうか。(45歳・女性)

 A、これは簡単です。私が、いつも使っている手を紹介しましょう。私はこのようなとき、こうメールします。「私のパソコンおよびその通信環境が一時的に不調となり、メールの送信状況の確認ができなくなっております。万が一のため、そのメール内容を再送させていただきます。ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」。まずは、これで解決します。解決しない場合は、相手のいい加減さが原因です。問答無用で、電話して、返事を催促しましょう。

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 Q、ママ友からランチ会や飲み会に誘われますが、気乗りしないのに付き合わないといけないのが苦痛です。そこまで仲良くもないし、自分の時間も大切にしたいのがホンネ。でも、子どものためにも、適度な付き合いは続けたい。自分勝手なようですが、うまく断る方法はありますか?(36歳・女性)

 A、うそをついて断ることも、一度や二度ならありでしょう。でも、そうして断り続ければ、必ずばれます。そして、人間関係は、最悪なものになってしまいます。それならば、きちんと「自分が人付き合いが苦手なこと。それでも、時々はお付き合いしたいこと」を伝えることです。そして、それでもよかったら誘ってくれるようにお願いすることです。なかなかつらいでしょうが、残った人は最高の友人となってくれます。

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 Q、職場で四六時中しゃべり続ける同僚や上司がいます。こっちは忙しいのに、べらべらと話しかけられ、仕事に集中できません。コミュニケーションを取っているつもりかもしれないので、あんまりむげにもできません。うまいかわし方はありませんか?(33歳・女性)

 A、参りました。私はまさにその同僚や上司と同じように職員室で、いつも後輩や仲間に話しかけていました。でも、何人か話しかけない仲間がいました。私が話しかけても「うん」「そう」「ごめん、今忙しい」「あとで」と、かわされる人たちです。これを繰り返されると、話しかけるのが申し訳なくなりました。この手を使ってみてください。でも考えようです。そんな会話が飛び交うほど、のんびりとしたよい職場なのかもしれません。

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 Q、仕事や家事で忙しいと、つい子どもに声を荒らげる、あたるような怒り方をしてしまい、自己嫌悪に陥ることがしょっちゅうです。怒りを抑え、上手に叱る方法があれば教えてください。(37歳・男性)

 A、私は、生徒を叱ったことも怒ったことも、たたいたこともありません。私が夜間高校で教えた子どもたちは、荒れた子どもたちでしたが。私は叱らなくてはならないとき、子どもの前でいつも腕を組み下を向き、無言で哀しい顔をしていました。このように哀しい顔で側にいると、子どもたちは自分で考えます。自分のしたことを。そして、反省してくれます。怒りと言葉を捨てることです。そう育ててしまったのは、あなたなのですから。

【水谷 修(みずたに・おさむ)】 夜の繁華街に居場所を求める子どもたちの、悲痛な叫びに向き合ってきた「夜回り先生」。心のひだに分け入った、ソフトな口調の強い言葉が、相談者の胸に染み入る。

2019/10/23
 

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