みなさんの職場では「ストレスチェック」は導入されていますか? 2015(平成27)年12月に施行されたストレスチェック制度は、定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、個人のメンタルヘルスの不調やリスクを軽減させるとともに、職場環境の改善につなげることを目的にしています。関西在住の会社員・Hさん(40代)の職場でも、年に1度、ストレスチェックが行われています。しかし、どのような評価をされるか気にする上司に、Hさんはけん制されるようになったのです。
■自分の評価が気になる上司
Hさんと同じ部署の社員が数年前、このストレスチェックの結果、過度のストレス状態にあることがわかり約4カ月休職しました。実は休職していた社員は上司に小言を言われ続けていたといい、上司が理由で休職したのではないかとうわさになっていました。
Hさんの職場で行うストレスチェックには、仕事内容に関することをはじめ、自分の心の状態や人間関係に関することなど57の項目があります。その中に「上司とどれくらい気軽に話ができるか」「困ったとき上司はどのくらい頼りになるか」「個人的な問題を上司はどのくらいきいてくれるか」という項目があります。
Hさんの上司は、社員が休職したこともあって、職場のみんながどのような回答をしているかを警戒。自分がどのような評価をつけられているのかを気にするがあまり、部下に対して「ストレスチェックでありもしないこと回答するなよ」と日ごろから脅すような発言をするようになったのです。
■3年間続いた上司の脅し
そんなある日、Hさんはある仕事でミスをしてしまいました。そのミスを上司に報告に行くと大勢の社員の前で1時間ほど叱責されたそうです。
ミスをした自分に責任があると反省していたHさんは何度も謝罪したのですが、上司はHさんの人格を否定するかのような発言を何度もしました。それを聞いていた先輩が上司を止めにいくと、上司はHさんとその先輩に「今度のストレスチェックで俺のこと悪く書くつもりだろ!これはすべてお前らのせいだ!無能な人間を部下にもつこっちの身にもなってみろ。所詮、上に立つこともできない奴が!」と言い放ちました。
このミスをきっかけに、Hさんと先輩はことあるごとに「俺のこと悪く書くな」と言われるようになりました。この脅しは上司の異動が決まるまでの3年間続いたといいます。
上司はかねてよりワンマンなタイプであったこともあり、誰も上司に声を上げることができなかったのですが、ついに先輩をはじめ複数人の社員が、会社の上層部に上司のこれまでの言動を伝えました。その結果、上司は一人で仕事を行う部署に異動になりました。そして、3年の間、Hさんは心療内科に通院しながら仕事を続けていたそうです。
◇ ◇
ストレスチェック制度は労働者のメンタルヘルスの不調を防ぐとともに、職場環境を改善すること目指しています。しかしこのチェックの意味をしっかり理解できていない人がいると、Hさんのようなつらい体験へとつながってしまう可能性があるかもしれません。職場にはこの制度を導入する目的をしっかり伝えることが大切なのではないでしょうか。Hさんの上司もまた、この制度が大きな負担となっていたのかもしれません。ですが人格を否定するような発言は許されるものではありません。
(まいどなニュース特約・長岡 杏果)
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