手編みのブックカバーに秘められた意図は…!?(画像提供:たくみさん)
手編みのブックカバーに秘められた意図は…!?(画像提供:たくみさん)

『同僚に「それはどういう意図の配色?」って聞かれた手編みのブックカバー』

 そんなつぶやきとともに投稿されたブックカバーが「X」で大きく注目されました。カバーの色は1対3くらいの割合で、やわらかな黄色とくすんだ緑色で構成されています。かぎ針編みらしい毛糸のあたたかな風合いがいかにも読書の秋にピッタリですね。このチャーミングなブックカバーはたくさんの人の心をとらえ、記事執筆時点でなんと「8.8万」件もの「いいね」がつきました。

 また「制作の意図」をめぐって様々な考察がリプライ欄に寄せられ、「400」件をこえるコメントがついています。

「抹茶ラテです」
「配色の比率からして絶対にセキセイインコだと思ったのに……」
「引っ越しの時タンスをどけたあとの畳だ...」

他にも画像とともに「濃い深み抹茶ポッキー」「京ばあむ」「マクドナルドのマスタードソースのパッケージ」など、配色についていろいろな見解が寄せられました。

■正解は!?

 カバーを編みあげ、ポストしたのは「たくみ」(@takumi_tariyu)さん。たくみさんがブックカバーに編み込んだ「概念」はいったい何だったのでしょうか?正解を教えてもらいました。

■見る人が見たら「あのアニメのデザインだ!」

--リプライで「好きなテニス漫画に出てくる大阪代表校のユニフォームをイメージしてつくりました」とおっしゃっていましたが…。

毎日の通勤電車で読書をするのが日課のため、趣味の編み物でブックカバーを作ろうと思いつきました。自宅で余っていた緑と黄色の毛糸をみて、パッと「テニスの王子様」に出てくる四天宝寺というチームのユニフォームカラーが頭に浮かび、簡単そうだったので作成しました。

--出来栄えはいかがですか?

一見するとごく普通のデザインでも、見る人が見たら「あのアニメのデザインだ!」「テニプリのファンなのかな?」と気付くようなさりげなさがポイントです。出来栄えについても満足しております。

■とっさに同僚には…

--ご同僚に「それはどういう意図の配色?」と聞かれた時は?

心の中でそっと推し活をしている気分でしたが、ブックカバーを見た同僚から「どうしてその配色なの?」と聞かれた際には即答することができず「余っていた毛糸で作りました…」ととっさに誤魔化しました。

--ブックカバーの投稿が大きく拡散しましたね!

このアカウントはテニスの王子様好きの方とのみ繋がっているアカウントで、私自身もテニスの王子様関連以外の発信を全く行っていないので、日常の何気ない投稿にまさかこんなに多くのインプレッションがあるとは全く予想していませんでした。投稿してすぐに就寝したため、朝起きてXを見た時には反応の多さにとても驚きました。

■たくさんの気づきがあった

--配色についての「考察」も殺到しました。

印象に残ったコメントや考察についてですが、「箪笥をよけた時の畳」、「肉無しそぼろ弁当」、「マクドナルドのマスタード」、「逆とうもろこし」、「セキセイインコ」、「ケロロ軍曹」、「金沢のお菓子」、「京ばあむ」、「稲穂」、「菜の花」、「食器用スポンジ」、「途中で緑の毛糸がなくなった」…などが特に面白く感じました。

--皆さん、想像力が豊かですね。

中には正解されている方もいたのですがほんの数人だったことも意外でした。自分にはアニメのデザインにしか感じられなかったものが、実は日常にたくさん同じようなものがあったのだなと気付きもあり、とても勉強になりました。

■どんな本を読むときにこのブックカバーを?

 このブックカバーを今後どんな本を読むときに使いたいかをお聞きすると「今は石川啄木の一握の砂を読んでおり、一握の砂を読む時に活用しています。様々なジャンルの本を読むので、今の本を読み終えたらミステリーやサスペンス、もちろんテニスの王子様を読む時にも使いたいです」と話してくれました。

 なお、たくみさんは「今は推し校概念バージョンも作成中です。」というひと言とともに白とブルーに黒のストライプが入った、さわやかな色合いのブックカバーを制作中。その写真もポストしており、さらに完成した2枚のブックカバーに加えてペットボトルカバーを「最近編んだテニスの概念たち」というひと言とともに投稿しています。

(まいどなニュース特約・山本 明)